第15回 区議会議員の報酬
南山伏町町会会長 妹尾一男
区議会議員の報酬は仕事の割に高すぎると云われてはいたが、その実態は詳しく知らなかった。
きっかけは新宿区町会連合会の役員を15年ほどやっていて新宿の本庁舎で毎月役員会が開かれるので、区議会議員とも顔馴染になり、その中の一人N区議の後援者に配布している区政報告ニュースが送られてきて、その中で自分の報酬を開示していたので、年間全報酬を南山伏町新聞に掲載したいと求めたところ快諾を得たので紹介する。
△新宿区議の報酬
「平成25年度の全報酬」
月額報酬
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年間報酬
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期末手当小計
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年間総収入
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議 長 |
938,000
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11,253,000
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4,216,020
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15,469,020
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副 議 長 |
800,000
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9,597,000
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3,593,100
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13,190,100
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委 員 長 |
660,000
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7,917,000
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2,964,610
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10,881,610
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副委員長 |
630,000
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7,557,000
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2,831,560
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10,388,560
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議 員 |
613,000
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7,353,000
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2,754,620
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10,107,620
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- 「政務活動費 年間180万円」 最近各地で問題になっているが、新宿区は厳しい方で、領収書、資料添付で、新年会などは禁止
- 期末手当は、夏、冬、年度末の合計
- 26年1月より、全議員月額1,000円ダウン
- 議会本会議、各委員会に出席すると費用弁償1日2,500円支給
△区議会議員
区議会議員の重要な職務は、予算、決算の承認権と、条例の制定、改廃が主たるものだが、平凡社の世界大百科辞典で「区議会議員」の項を引くと、次のように記されている。
「東京23区の区議会は、地方自治法により特別区として一般の市と同じ地位におかれるようになり、区議会議員についての規定は、市議会議員と全く同じに取扱われている。
議員の報酬は比較的高く、これが区財政に占める比率が高くかつお手盛りで退職金を決めたりしているので非難が多い。
公的には議員個人としてではなく議会として働くが、東京都の特性により、区自体の権限が限定されているので、一般の市議会議員よりは、公的に活躍する場は少ない。」
△諸外国における地方議員の報酬
シンクタンク「構想日本」が2008年にまとめた国際比較が、以前産経新聞に紹介されていたので、その一部を引用することにする。
国 名
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議員の報酬
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---|---|
日 本
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680万円
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米 国
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65万円
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ドイツ
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50万円
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英 国
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74万円
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韓 国
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240万円
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もちろん年額である。欧米の地方議員はボランティアの名誉職と位置付けられている。
実際ドイツの地方自治法は「議員は名誉職」と規定している。
議会の開始時間もドイツなど多くの国が、夕方からで会社員でも議員活動に支障がない。
△新宿区議会
議員が出席した平成25年度の区議会は次の通りである。
- 「本会議」……13回
- 「臨時会」 ……1回
- 「常任委員会」(4) …… 20回
- 「特別委員会」(3) ……12回
- 「予算特別委員会」 ……10回
- 「決算特別委員会」 ……9回
- 「議会運営委員会」
本会議は質疑応答もあって午前、午後と開催されることも多いが、常任委員会は、総務・区政、健康・福祉、環境・建設、文教・子どもの4委員会の何れかに各議員は属し、殆ど10時開始で、午前中に終了。
特別の3委員会も同様である。
予算特別委員会か決算特別委員会に、各議員は4年の任期中に各2回所属する。
年間出席回数を計算すると、最高60回を超えることはない。