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南山伏町町会 妹尾一男氏のコラム

第13回 水と環境の話

平成25年3月25日
元 南山伏町町会会長 妹尾一男

地球上の水の97%は海の水であり、氷山などを除くと河川の水は1%にすぎない。そしてわれわれが生きていくために必要な飲用となるのは、水全体の0.01%にも満たない。

日本の河川水は上流になればそのまま飲めることが多いが、これは世界でも珍しい。水道水がそのまま飲める国も珍しい。

日本列島は中心に山岳地帯が連なり、高いところから低いところへ流れ落ちるので川はほとんど急流で、しかも豊かな森林に恵まれて浄化されている。
外国の川は日本に比べ、ゆったりと流れている川が多い。

日本の川はすべて国内を流れているが、外国は国際川が多く、水についての利害関係が複雑だ。たとえばドナウ川は17ヵ国に、ナイル川は10ヵ国に接している。

20世紀は石油の時代だったが、21世紀は水の時代になるのではないか。
豊かな水に恵まれた日本だが、環境は決して楽観できない。

メダカは日本中いたるところにいたが、極端に少なくなった。それは田圃と関係がある。「コシヒカリ」など、うまい米は収穫をあげるため改造されて、稲穂に多く稔るようになったが、茎が垂れ下りすぎるので、夏場に中干しといって田の水を引かせて、しばらく陸稲のように育て根を張らせ、丈夫にして秋に水を張り水田とする。そうすると中干しのとき、田圃の生物のメダカや虫などが、みんな死んでしまう。もちろん有機栽培が最大の原因であるが。

天然記念物のオオサンショウウオは、日本と中国と北米の一部にしかいない。それ以外の地では、中新生層から化石としてしか発見されていない。中新世というと、今から3千万年前から千五百万年前である。
オオサンショウウオはその頃から日本で生き続けてきたわけで、奇跡といってよい存在だ。

幕末シーボルトが帰国する際、生きたオオサンショウウオを持ち帰り大騒ぎになったという。ヨーロッパでは化石としてしか知られていなかったので。

オオサンショウウオは山地の清流に棲み、サワガニや蛙を捕食して生きている。今その蛙も減っている。それは田圃に蛙のエサになる虫がいなくなったからだ。「とき」を絶滅させた自然環境の破壊は貴重な教訓だ。子孫のためにも絶対守らねば。

以上は、水と生き物の環境をテーマに、ネーチャー・フォトグラファーとして活躍する内山りゅう氏の話から紹介した。