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南山伏町町会 妹尾一男氏のコラム

第12回 青年企業家の掴んだジャパン・ドリーム

平成24年11月28日
元 南山伏町町会会長 妹尾一男

去る10月1日、求人情報サイトを運営する「リブセンス」という会社が、東京証券取引所の一部に上場された。資本金2億1千万円、平成11年12月期決算で2億7千万円の純利益を計上しているとはいえ、無配の従業員わずか43名の会社なのに、新聞が経済面で囲み記事で取り上げた。
それはリブセンスを早稲田大学在学中に創業した村上太一社長が25歳で、東証一部上場史上最年少の社長ということになり、携帯向け交流サイト「GREE」を運営し急成長を遂げた「グリー」の田中良和社長の当時33歳という4年前の記録を大幅に更新したからだ。

東証一部上場1680社の仲間入りをするには厳しい制約がある。単に資産や利益などの業績だけでなく、株主数、流通株数などの条件も多く、ハードルが高いからニュースになった。

早稲田大学政治経済学部経済学科に入学した村上少年は一年のとき受講した大和証券グループ本社の寄附講座「ベンチャー起業家養成基礎講座」が、期末課題として実施したビジネスプランコンテストで最優秀賞を獲得、その特典として提供された120号館のインキュベーションセンターのオフィスで、すぐに株式会社リブセンスを設立。そして2カ月後にはアルバイト情報サイト「ジョブセンス」のサービスを開始する。
ジョブセンスの特色は、求人広告の掲載に際して掲載料を取らない。採用が決まったら応募者に祝い金が贈られ、そして求人広告を出した企業に料金を請求する。新聞、Webなどの求人広告の掲載料は高額で、しかも効果が必ずあるとは限らない。だが、ジョブセンスの場合は企業の欲しい人材が得られなければ無料なのだ。当たり籤ばかりで、外れはないことになる。

ちなみに「Job」とは英語で「仕事・職業」の意味の他に旧約聖書の「ヨブ記」に伝えられている「サタンの加える苦難に耐えて神の祝福を得た人物」と辞書にある。
現在は賃貸住宅や中古車の情報分野にも進出している。

かつて日本経済を牽引した家電業界の大手が大赤字に喘いでいるが、客の心を読む努力を怠ったせいで、囲碁でいう勝手ヨミの結果だ。
リブセンスの10月1日の上場当日の終値が4,240円。四季報によると村上社長の9月の時点で所有するリブセンス株は208万株。計算してみたら。
しかし驚くのはまだ早い。前出のグリー10月1日の終値は、1,408円。そして田中社長の所有株数は1億1,219万株だ。年30円の配当だけでも・・・。

(参考:「早稲田学報」24年8月号)